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【ドーナツブーム大検証】現在は“第5次ドーナツブーム”なのです!

2022年後半に「第3次ドーナツブーム」という言葉がWeb で散見されるようになりました。その定義では、第1次=『クリスピー・クリーム・ドーナツ』の日本上陸、第2次=コンビニドーナツの登場──とされています。


しかし、日本のドーナツ史には、他にもエポックメイキングな現象がありました。そこで、ドーナツ・ファンクラブでは「ブーム」といえるレベルの重要な出来事をピックアップしてみました。


 

ドーナツ・ファンクラブが考える「日本のドーナツブーム」の歴史


 

次にそれぞれのブームについて詳しく補足したいと思います。


▶第1次ドーナツブーム 

『ミスタードーナツ』、『ダンキンドーナツ』が日本に登場

1971年に、『ミスタードーナツ』と『ダンキンドーナツ』が相次いて日本に出店しました。ミスタードーナツは大阪の箕面に、ダンキンドーナツは東京の銀座に、それぞれ1号店をオープンさせます。日本に住む多くの人々が、初めて“アメリカのドーナツ”に出会ったのでした。そして、両社とも日本中に店舗を増やしていき、しばらく“2強時代”が続きます。

ダンキンドーナツは1998年に日本から撤退してしまいますが、ミスタドーナツはその後も拡大を続け、日本のドーナツ文化においてなくてはならない存在になっています。


▶第2次ドーナツブーム

『ミスタードーナツ』から「ポン・デ・リング」発売

2003年に、『ミスタードーナツ』から「ポン・デ・リング」が発売されます。それまでミスタードーナツの商品は〈しっとり〉〈サクサク〉〈ふわふわ〉の3食感を展開していたのですが、〈もちもち〉食感の「ポン・デ・リング」は“第4の食感”というキャッチコピーで登場します。


「ポン・デ・リング」の新しい食感は、たちまち大人気となりました。『ミスタードーナツ』の看板商品になるだけでなく、他のドーナツ店やベーカリー等でも類似品が売られるなどし、ドーナツ界に新たなジャンルを作った傑作といえます。


▶第3次ドーナツブーム

『クリスピー・クリーム・ドーナツ』の日本上陸

アメリカで1937年に創業した『クリスピー・クリーム・ドーナツ』が日本に上陸したのは、2006年のことでした。

創業以来変わらぬレシピで作られており、世界中の『クリスピー・クリーム・ドーナツ』で販売されている「オリジナル・グレーズド」が、ついに日本に伝わったのでした。そのとろけるようなやわらかさ、なんともいえないおいしさはたちまち大評判に。新宿サザンテラスにオープンした1号店には連日長蛇の列ができ、待ち時間の長さも話題になりました。


▶第4次ドーナツブーム

クロワッサンドーナツの世界的大流行


2013年にニューヨークの『ドミニク・アンセル・ベーカリー』が「クロナッツ」という、クロワッサンとドーナツを融合したものを開発します。「クロナッツ」は大きな注目を集め、お店の前は大行列ができたとか。その目新しいドーナツの人気は、あっという間に世界中に広まり、「クロワッサンドーナツ」として、世界各国の多くのお店で販売されたのです。これは、ドーナツ史に残る世界的大ブームだといえます。


日本も例外でなく、専門店が出現したり、パンメーカーやベーカリーチェーンなどでも広く販売されたりしました。『ドミニク・アンセル・ベーカリー』は2015年に表参道に出店し(現在は閉店)、こちらも大人気でした。


▶第5次 

現在のドーナツブーム

2022年から新たなドーナツブームが巻き起こっています。発端は、前年に大流行したマリトッツォの後継者ともいえる、クリームをたっぷりと詰めたドーナツの人気です。このクリームドーナツは、「ボンボローニ」「ベニエ」「マラサダ」など様々な名前で販売されました。そして、福岡の超人気ベーカリー『アマムダコタン』から派生したドーナツ専門店『I’m donut ?』が都内でオープンし、このブームの火を最大火力にします。“生ドーナツ”と呼ばれる看板商品の「I’m donut ?」が大ヒットし、“生ドーナツ”という名前が広く知られるようなりました。さらに、“生ドーナツ”というネーミングでドーナツを販売するお店が続々と現れています。

ただし、現在のドーナツブームの大きな特徴は、単一の店舗や商品に集中したものではなく、ドーナツ全体の人気が上がっていることです。ドーナツ専門店はもちろん、カフェやベーカリーなど様々なお店で扱われる、個性の異なる上質なドーナツがいずれも人気を集めているのです。


ドーナツ・ファンクラブでは、これまで大きなブームは少なくとも5度あったと検証し、現在のドーナツブームを“第5次”と位置づけました。やはり、70年代以降、『ミスタードーナツ』、『ダンキンドーナツ』が日本に住む人々に“ドーナツを食べる文化”をしっかりと根付かせたことは、ドーナツ史を語る上で無視できないのです。


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