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ドーナツの定義

ここでは、「ドーナツってなに?」という根源的な問題について、ドーナツFCが考察した内容をまとめておきます。

揚げドーナツ

●「ドーナツ」のルーツは?

 「ドーナツ」の源流はオランダにあり、小麦粉、砂糖、卵で作った生地を発酵させ油で揚げた「オリーボーレン」というお菓子がルーツだといわれています。それがアメリカに渡り、ドーナツとして広まっていきました。つまり、歴史上「ドーナツ」として親しまれてきたものは揚げ菓子なのです。これは、大手ドーナツチェーンの主力商品がいずれも揚げたものであることからも分かるでしょう。

●「ドーナツ」の語源は?

「ドーナツ」はアメリカで生まれた言葉で、「Dough(ドウ)」(生地)「Nut(ナッツ)」が合わさった言葉だとか。元祖ドーナツはナッツがプラスされた揚げ菓子だったのです。

 なお、英語でドーナツには「donut」「doughnut」という2つのスペルが存在し、どちらも間違いではありません。たとえば、ミスタードーナツの英文表記は「Mister Donut」ですが、クリスピー・クリーム・ドーナツは「Krispy Kreme Doughnuts」(複数形)です。ドーナツFCではわかり易さを重視して「donut」を採用しています。

ドーナツとコーヒー

●リング状の食べ物=「ドーナツ」なの?

 丸い穴の空いた形状は、「ドーナツ」のアイコンの役割を果たしています。「ドーナツ化現象」「ドーナツ盤」といった言葉も、この形状から生まれた言葉です。しかし、ツイストドーナツやボールドーナツ、あんドーナツ、クリーム入りドーナツなど、リング状ではないドーナツも珍しくありません。つまり「リング状の食べ物=ドーナツ」ではないのです。もしそうだとしたら、車麩もバームクーヘンもベーグルも「ドーナツ」ということになってしまいませんか?

ドーナツ

●「ドーナツ」と名乗っていない揚げ菓子は?

 世界のいろいろな国や地域で、ベニエ、チュロ(日本ではチュロス)、マラサダ、ボンボローニ、ポンチキ、クラップフェン、サーターアンダギーなど、ドーナツと同じように生地を揚げたお菓子が存在します。ドーナツFCでは、それらも「ドーナツ」に含まれるものとして考えます。ただし、「当店の商品は●●であって、ドーナツではない」という旨を打ち出されているお店もあります。ドーナツFCはそうしたお店の思いを尊重したいと考えています。

●揚げていない「ドーナツ」は?

『広辞苑』(岩波書店)で​「ドーナツ」を調べると「小麦粉に砂糖・バター・卵・ベーキングパウダーまたはイーストなどをまぜたこね、輪形、円形などに作って油で揚げた洋菓子」とあります。

 ところが、2000年代以降、焼きドーナツ、ベイクドドーナツ、蒸しドーナツといったお菓子が登場しました。それらは揚げ菓子ではなく、長い間「ドーナツ」として親しまれてきたものとは製法が異なります。ドーナツ業界には「あれはドーナツではない」という声もあります。

 ただし、魅力的な専門店も増えましたし、通常の「ドーナツ」とそれらを一緒に売っているお店もあります。ドーナツFCは「ドーナツは油で揚げた幸せ」というコピーを掲げていますが、食文化は時代によって変容していくものなので、何十年後、何百年後にはドーナツの定義が変わっていく可能性も否定しません。

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ドーナツの種類

​ドーナツには、生地と製法によって主に「ケーキ生地」「イースト生地」「シュー生地」という3つのカテゴリーがあります。その違いによって見た目や食感に大きな違いがあり、カロリーにも影響しています。

「ケーキ生地」はパウンドケーキなどに似た生地で、「イースト生地」はパンと同様です。「シュー生地」はシュークリームの「シュー」をイメージすればわかりやすいでしょう。カロリーは、「ケーキ生地」が高くなりがちで、「シュー生地」は低くなる傾向があります。また、この3つの枠を超えた、ハイブリッド的なドーナツも存在します。

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